春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門【今更聞けない寄席の話】

目次

寄席入門 前編【春風亭一之輔師匠が教えてくれる】

寄席とはどんなところか【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

「落語のライブハウスである」と一之輔師匠は言っています。

落語を聞けるところは2通り【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

  1. ホールや劇場でやるホール落語やこじんまりした小さな落語会などの「脇の仕事」
  2. 中心は寄席。ホームグラウンドが「定席で行う寄席」

東京の寄席はどこにあるのか【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

定席は5軒あります。古い順に格式があるので、呼ぶ順番も下記の通りに言います。

  1. 「上野鈴本演芸場」300本格的な劇場風。一番古くからある寄席。
  2. 「新宿末廣亭」300〜400両脇桟敷席中にも提灯がつってあって情緒がある寄席。
  3. 「浅草演芸ホール」全国から観光客から集まるいろいろな客がいる寄席。
  4. 「池袋演芸場」北口、100人弱、演者と客の距離がとても近い。落語家の持ち時間長め。通のお客が多い。
  5. 「国立演芸場」300人。上席中席のみ1〜20日まで、入場料2000円とリーズナブル。

出演者や入れ替えの有無などは、行こうと思っている日が決まったら、確認してからいきましょう。

東京の他にも「横浜にぎわい座」、大阪「繁昌亭」、新開地の「喜楽館」、「名古屋大須演芸場」などの定席があります。

笑点の大喜利は落語ではありません【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

笑点で行われている大喜利という形式は、寄席最後の余興でした。今では行われていません。
出演者が大勢出てきて、謎かけをしたり、お題を出してこたえたり、大喜利をやったことがあったようです。

大喜利は落語ではありません

落語家の人数と団体について【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

落語家の人数は、大阪と東京合わせて1000人弱です。

5つの団体があります。

  • 落語協会。一番人数が多い団体。
  • 落語芸術協会(春風亭昇太師匠が会長)
  • 5代目円楽一門会(元の笑点の司会で顔の長い星の王子様と言っていた圓楽師匠が5代目)
  • 落語立川流(立川談志師匠が作った団体)
  • 上方落語協会

落語協会と落語芸術協会が寄せの定席に出られる人たちです。他の人たちは、寄席にでなくても良いと言って独立した人たちですが、今は落語芸術協会の人が出ている時にはゲストなどで立川流の落語家も出たりとかそういう柔らかい雰囲気になってきているようです。

寄席入門 後編【春風亭一之輔師匠が教えてくれる】

寄席はいろんな人が出ます【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

プログラムがあって、昼夜の部に分かれていて、昼の部13組くらい、夜も11〜12組でます。

落語の他に、漫才、紙切りや曲芸、マジック、三味線ひいたりなど、色々な芸を持った人を交えてプログラムを組んでいます。落語ばかりだと疲れるので、頭をリラックスさせるようなものも入っています。

寄席は、プログラム、つまり出演者と持ち時間は決まっていますが、誰がなんのネタをやるかは決まっていません。楽屋に入ってから、ネタ帳をみて、すでに終わった人の演目と被らないようにネタを楽屋で決めていきます。

プログラムの見方【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

引用元/https://www.youtube.com/watch?v=ttz3Si808foの説明で使っているプログラム

小さい字は前座とお囃子の名前(ふゆさん、かよさん、もとさん)、前座の一番(与いちさん)はネタ帳に毛筆でネタを書き込む係立て前座、二番手(り助さん)はお囃子に合わせて太鼓を叩く係、次の4名(市松さん、ひこうきさん、まんとさん、駒平さん)は、お茶を出したり着物かけたりするお世話係。一番下っ端(貫いちさん)が座布団返したり、めくりをめくったり高座返しという役目です(例:鈴本演芸場 下席のプログラムでみると)

前座の隣の交互と書かれている7名は二つ目さんです。日替わりで出演します。

赤い字で書いてある人は落語以外の方々です。色ものと呼ばれる所以です。

中入り前の人(小ゑん師匠)は20分の時間が与えられます。

休憩明け(楽一さん 紙切り)は食いつきといい、終演のトリに向かって徐々に盛り上がっていくように構成されています。次に落語、トリの前の色ものは膝代わり、膝ともいう、重くないあっさりした芸をする、小菊さんのような翠曲という歌を歌ったりどどいつをしたりします。そして、トリの登場です。

鈴本演芸場のトリの持ち時間は30分ですが、比較的ゆるく、40〜50やってもいいようです。

寄席は、このように、みんなが頑張って競い合っているのではなく、ポジションごとの役目を果たして、全体をバランスよく進めて、トリに一番いい状態で回す打順のような団体戦のようなプログラムになっています。

その過程も楽しんでいくのが寄席です。

プログラムはどのように決められているのか【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

プログラムはどこで誰が決めているのかというと、定席の方々が毎月小さなドラフト会議のようなものを落語協会で行っています。

「うちのトリは誰が欲しい」「じゃあトリの前はこの人」と言うように、話し合いが行われて決定します。

芸人はそこにはたちいりません。トリを取ると、自分の弟子が優先的にそのプログラムに入れてもらえる利点があります。

Twitterで募集したという今更聞けない Q&A【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

足は痺れないんですか?

痺れます。10~15分なら大丈夫。30分は元気なときは大丈夫、体調悪いとしびれます。落語家は結構動いて、膝立ちしたり、足を動かして痺れを解いたりしています。太ると痺れがくるスピードが速くなる説があり、1kg太ると5分早まると主張している師匠がいるようですが、一之輔師匠もその考えに概ね同意しています。

お給料はいくらですか?

給料はない。一席しゃべったらいくら。前座の身分の時は、ほぼ毎日定席で働くのでお給料みたいなものが出るようです(1日1000円くらい)。

落語家は女の人もなれるのですか。

なれます。二つ目で25名、前座で6名ほどの人が活躍しています。

メガネで落語できますか?

一之輔師匠は眼鏡を外して落語をします。眼鏡がずれて煩わしいとか、眼鏡をかけた登場人物になってしまうのを嫌うとか、登場人物に色がつかないようにしていると話しています。しかし、昇太師匠や文珍師匠など、メガネが顔の一部になっているような人もいるので、人によって考え方が違うと言うことです。

落語家の扇子や手ぬぐいはどうしてる?

扇子や手ぬぐい買いません。真打披露で名入りの扇子、二つ目になると手ぬぐいを配るようです。だから、たくさんあります。扇子は年に2本ぐらい消費する。古い扇子は谷中のお寺で8月お焚き上げをして処分します。手ぬぐいは何枚か持ち歩いて、着物に合うものを選んで使っています。

落語家の手ぬぐいはどこで買えますか?

基本売っていません。売ってたとしたら、イベント用に作ったものだと思います。落語家の手ぬぐいは挨拶や名刺がわりなので売りません。どうしても欲しい人は、正月の寄席で、ご祝儀渡したいというと楽屋に通してくれます。なるほどと思うくらいのこころトキメク額を渡すと、それではこれを…と手ぬぐいを渡してくれるかもしれません。正月の挨拶の時しか手ぬぐいは持っていませんので、正月だけの話です。

羽織はいつ脱ぐのですか?

羽織や紋付の着物は二つ目になってから着ることができます。羽織はいつぬいでもいいです。脱がなくてもいい。役で太鼓持ちが出てくる時は羽織を着ている商売なので羽織はきたままでいます。「鰻の太鼓」などの時は着ています。「夢金」船頭さんがミノを脱ぐシーンに効果として使って脱ぐ時もあります。

ご祝儀はいつ、いくら渡せばいいのか?

難しいですね。額は上はいくらでも。下は、自分が芸人だとしてトキメク額、だそうです。

渡すタイミングは、直接渡すなら、寄席の楽屋で芸人にご祝儀渡したいと言うと通してくれます。

落語家と噺家どちらが正しいのか?

どっちでもいい。談志師匠は落語家だと言っていました。小さん師匠は噺家だと言いました。一之輔師匠はどっちでもいい。うるさそうな人は、本人が言ってるように呼んであげたらいいそうです。

兄さんと呼ぶ人と師匠と呼ぶ人の違いはなにか

兄さんと呼ぶ人は、入門した時に2つ目までだった人。と真打は師匠の違い。おおさかにいさん。真打になって、師匠と呼ばなきゃいけない時でも、兄さんと呼ぶと親しい感じになる。

出囃子のきめかたは?

前座は「前座の上がり」で共通。二つ目にあがると、自分の出囃子がもてる。一之輔師匠は「さつまさ」二つ目の時とは違う。真打になる時、大師匠の生前使っていた出囃子をいただいて使っている。くださいっていったらもらえた。文楽師匠の野崎とか誰も落語協会では使えない。協会が別なら被ってもいい。

寄席のタブーは

携帯電話は電源から切ってほしい。音とバイブは響くのでやめてほしい。出るのもやめて。酔っ払うのも、おしゃべりもよく聞こえているのでやめて。

掛け声のかけかた。

なくていい。「まってました!」出てきた時で良いのでは。落語家が話し始めたらやめて。

全員に待ってましたいう人いるけど、急な代役の人にも待ってましたはないでしょう。出てくるって知らなくてきたはずだから、待ってはいないと思う。よくいる待ってましたおじさん。かけるの忘れたら忘れられた人落ち込むのでかけるなら全員に忘れないでかけて。

「たっぷり」はとりのときだけでいいのでは。7分くらいでってスタップに言われて出ていって、たっぷりといわれてもできないし。あと「プロフェッショナル」っていうのやめて。

落語のネタはいつ決めるのか

落語のネタは30分前に楽屋に入ってからか、3つくらい目星つけておいて、枕を話しながら雰囲気みて決めることもある。一之輔師匠は、すぐにできるネタは38くらいある。1日時間くれたら200はできる。

時間調整はどうしているのか

だいたい20〜25分かかるものを12〜13ふんくらいでやる事になる。お客さんから見えないところに時計がある。それを見ながらやっている人がいるが、一之輔は近眼でみえないので感覚でカットインする。どっちにしても、こっちの問題なのでほっといてください。

弟子は住み込みですか?アパート代は師匠が出しますか?

一之輔師匠の弟子は通い。アパート代はだしません。弟子の年齢制限は、落語協会は30歳まで、芸術協会は35歳までのようです。

ネタ帳をつける時、演目わからない時はどうするのか

師匠に聞いても怒られるので、必死にリサーチする。ベテランのお囃子さんに聞く。ググる。

まとめー【春風亭一之輔師匠が教えてくれる寄席入門】

落語家が説明してくれる寄席の話は興味深かったです。面白いので、ユーチューブ見てみてください。

寄席は行かなきゃわからない雰囲気があります。

是非、生で見ていただきたい。

そして、弁当広げてお菓子食べながらみる本来の寄席の姿に戻る日を、楽しみに待っています。

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